児童文芸雑誌(大正7年7月-昭和11年10月)。鈴木三重吉が主宰していた。
大正の児童文学ブームの先駆・中心的な雑誌である。
赤い鳥は、純粋に子どものための書物があまりにも少ないことに憤慨した鈴木三重吉が、
子どものための文学を創出するために始めたものと言われる。
子どもの教育にも強い関心を持っていた「赤い鳥」では、子どもに表現の場を提供すべく、
作品の募集等もしていて、三重吉が綴方、北原白秋が児童自由詩、山本鼎が自由画を、それぞれ批評・指導するしていた。
泉鏡花、小山内薫、徳田秋声、高浜虚子、野上豊一郎、野上弥生子、小宮豊隆、有島生馬、
芥川龍之介、北原白秋、島崎藤村、森林太郎、森田草平、小川未明、谷崎潤一郎、久米正雄、
久保田万太郎、松居松葉、有島武郎、秋田雨雀、青木健作、西条八十、佐藤春夫、菊池寛、
三木露風、山田耕作、成田為三、近衛秀麿など
「赤い鳥」で作品が掲載された作家は他にも、井伏鱒二、新美南吉、室生犀生らがおり、
当時の著名な作家のほとんどがなんらかの形で関わっている。
「赤い鳥」は第一次大戦の終戦の年に発刊された。
この頃はデモクラシー運動が盛んで、そうした世相に少なからずささえられる形で、
「赤い鳥」は幅広い支持を獲得し、近代児童文学の伝統を確立するに至る。
「赤い鳥」の成功は「おとぎの世界」「金の船」「童話」等の同ジャンルの雑誌を生んでおり、
「赤い鳥」は大正の児童文学ブームの先駆であり、中心でもあったと言える。
近日公開予定